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無知と無能の間に

無知無能者、固人之所不免也

青年海外協力隊、隊員の生態〜その1

青年海外協力隊制度 国際貢献

SNS

――― 山ほどのブロガーたちが言っていますね。「俺たちがあらゆることをブログに書き、主流メディアはそれで打撃を受けている」

ダグラス・クロックフォード ええ、素晴らしいことですが、間違っています。私たちは互いにつながり、メッセージを互いに送り合うことができますが、それは機能していません。現状ではノイズばかりです。

―――「Corders at Work」P.126

私達はSNSでつながっていない。偏っているだけだ。

発端

某日、途上国でのビジネスネタを探していた。たまたま、青年海外協力隊の隊員のブログが引っかかり、タイトルからして参考になる情報が手に入るのではと、期待した。なんせ、実際に途上国で活動しているわけだし。しかし、ブログを開いてみると、

◯◯ちゃん!イベントの企画ありがとー☆

  

  

 △△くんも、「ありがとー」だって!

 

  

感謝感謝(はあと)

数行おき短文を並べた、あのスタイルで書かれていた内容だ。引用先のURLは覚えてない。憤慨して閉じてしまったからだ。

「おいおいおいおい、いったいどんなイベントをやったんだ?」「文章を書く時は、5W1Hを意識して書きましょうとか習ってないのか?」「客の反応はどうだったのか?そもそも客は来たのか?」・・・などと画面の前でツッコんでも意味がないことは分かっている。しかし、まるで情報が引き出せない内容をブログにアップする精神とはなんぞや。そして、メールやSNSで当人宛に感謝を示すならば多少は理解できるが、ブログを使って他者に感謝を示すというのはどういうことだ?という疑問がわいた。

協力隊員のイメージ

青年海外協力隊のステレオタイプなイメージは「電気も水道ない途上国の農村で井戸掘りする人たち」というところだろう。ただ実際には、そのような活動は少数のようだ。外務省の協力隊事業の紹介によると、活動形態を以下の5パターンに分類している。

  1. 村落の一員として農村社会の中にとけこみ、巡回指導や普及活動を進めていく「村落型」(稲作、家畜飼育など)
  2. 職業訓練や理数科教育のように、実習・授業を担当する「教室型」(日本語教育、職業訓練など)
  3. 土木建築、通信関係などの現場工事に従事する「現場勤務型」(土木設計、測量、電話架設など)
  4. 事務所、試験場、研究所等に勤務して、設計や試験・研究を任務とする「本庁・試験場勤務型」(都市計画、栽培実験など)
  5. 複数の職種の隊員が共通の達成目標と活動計画をもって、同一のプロジェクトでチームとして活動する「チーム派遣型」

1のスタイルが協力隊の一般的なイメージで、村落隊員と呼ばれ、反対に他の職種で途上国といっても都市部で働く人たちは都市隊員と呼ばれるようだ。

ブログを書く意味は何か、何のための情報発信か?

このテーマはブログを書いている人は、誰しもが一度は通る道のようだ。検索をかけてみると「人とのつながりがもてる」「コメントに返信がもらえるとうれしい」「考える習慣がつく」「ただの惰性で」等々の様々な位置付けがでてくる。あるいは単なる「宣伝」「(アフリエイトを含む)ビジネス」と割り切っている場合もある。

さて。「ブログを書く」「SNSで発信する」を突き詰めれば、自分から情報発信するということは、突き詰めれば承認欲求の一つだ。自己顕示欲と言い換えてもいい。「自分は?」という反発に対しては、「その通り承認欲求の発露です」としか答えようがない。

であれば、承認の対価にあたる内容が、ブログに書かれているはずだ。先の青年海外協力隊のブログは感謝を表明すること自体が対価情報だというのだろうか?よく飲み込めない。セルフブランディングという言葉を当てはめても、なにか違和感が残る。セルフブランディング自体がいわゆるバズワードで定義が曖昧だということもあるが。

そこで、この違和感はどこからくるのか、全体からすれば数は少ないが他の協力隊員がどのようなブログを書いているのか読んでみることにした。

読んで引っかかったブログは順次実例として引用し解釈してみることにして、

  • 「協力隊の実態」「みたままをレポート」などというキーワードをよく目にするがこれは何を意味するのだろうか?

ボランティアとSNS活用の間にあるもの

ボランティア活動を通じてよく耳目を集める話として、「現地に行って、現地の人と共に知恵を絞る」、「ボランティア活動を通じて自分と対話する」等がある。言い換えれば、現地でのコミュニケーションであり、自問自答を続けることが本質なはずである。協力隊員同士の情報交換(愚痴り合いだとしても)も必要だろう。しかし、ブログなりSNSの活用が第三者にアピールするように展開している理由はなぜか?ブログで第三者への発信になぜ熱心に取り組むのか?

そして理解できないのは自分だけで、ブログを多用している協力隊員には無矛盾なく理解しているように見える。

一体、この齟齬がどこから生まれたものなのか。ボリビアの協力隊員のブログ書くことを中心に見ていく。なぜボリビアかというと、ドミニカと並んで棄民と呼称されても致し方ない日本人移民が行われていたことを知り、いくつか本を読んで興味をもったこと。もう一つとして、仮説を考えるうえで、典型的な事例(症状)のブログが集中して見つかったこと。

続く。