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無知と無能の間に

無知無能者、固人之所不免也

ドローン恫喝

恫喝するドローン業者

最近、ドローンについて、ネットで調べていた。ドローンによる空撮を請け負っている業者の以下のサイトに遭遇した。

いや、詳しくは書かれている。しかし、読み進めていくにつれ、考えてしまった。以下のリンク先は、その象徴的なページだ。

はじめにとして「この事故原因を断片的な情報から推測します」だそうだ。事故を客観的に分析することが、主眼ではない。断片的な推測に意味がないとは言わないが、あえてそれを行うというのが、この空撮業者を象徴している。

この中で、ある事故を引いて以下のような書き方がなされている。

岐阜県大垣市にて、伐採の見学に参加していた小学生が、長さ3m・重さ5kgの枝の落下で亡くなっています。これをマルチコプターの落下に当てはめれば、答えは直ぐに出ます。プロペラガードなどを用いても重量機なら死亡事故に至ることは、この事故からもわかります。軽さは絶対的な正義です。

「軽さは絶対的な正義」とあるが、明らかに間違っている。極論だが鉄砲の弾はドローンより1/100も軽量だが、殺傷能力がある。余談だが、フランスのドローン規制はこの辺りをエレガントに定義している。けれども、恐らく、この業者ゼロというサイトでは、紹介されることはないだろう。

さらに、

今後も、技術の伴わない必要の無い大型機は0 [Zero]の攻撃対象となります。覚悟して下さい。

すごい。公権力でもない、ただのドローン業者が同業叩きを表明して憚らない。

これ以外でも、「太陽風の電磁ノイズ」でドローンが墜落するとか、もう目も当てられない。太陽風の影響でドローンが大量に墜落するような事態が発生するのであれば、もっと憂慮すべきことがらで世の中は埋め尽くされて大騒ぎになるだろう。でも、そうは考えていないようだ。

ここまで、これからドローンを広く活用しようというドローン業者がドローンの危険性をこれでもかと表現するのは、どういうことか。いったい何に怯えているのか。

「怯え」の原因

ではこれらの恫喝はどこに向けて書かれたものだろうか?もちろん、空撮等を請け負っているので、顧客へのセールストークとして、「安全性」をユーザメリットとしてうたっているのはあるだろう。しかし、これは明らかに別の想定読者がいる。推測するに「ドローンビジネス(空撮分野)に参入を考えている人」「個人でドローン空撮をしようとしている人」だろう。彼らに読んでもらって、ドローンを飛ばすことに躊躇してもらえれば幸いというところか。

これらの記事を書いている人が意識的にやっているのか、無意識なのかはわからない。ただ、この狂信的なまでの人混みでの落下事故の危険性を煽る態度は、ちょっと考えるところがある。さらには「ご自身の判断と責任で、空撮の発注・空撮の実施・クレーム発起をお願いします」とまである。「撮影は請け負うが、そのときの損失は発注者側が取れよ」とも読み取れる。

新しい分野にチャレンジするというのは、人を疑心暗鬼にさせるということなのかもしれない。まるで芥川龍之介の「蜘蛛の糸」にでてくるカンダタみたいだ。結局のところ、人間の敵は人間なのだな。