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無知と無能の間に

無知無能者、固人之所不免也

ポータブックが紡ぐ物語

企業経営 ビジネスモデル

キングジムが販売する「ポメラ」という商品がある。見た目は電子辞書のような形だが、キーボードを折りたたむことで、打キー時のやりやすさを保持できるサイズのキーボードを有する文字入力専用機だ。乾電池で動き、立ち上げ時間を考慮することなくテキストタイピングに特化したという点では評価できた。実際、ポメラシリーズは30万台を売り上げたという。

ポメラの後継

しばらく新製品の展開のアナウンスが無かったが、2015年末にポメラの後継機が登場するという話が出回った。そして、キングジムが「ポータブックXMC10」を発表した。ポメラではく、Windows10を搭載したノートPCであった。価格は9万円前後とのこと。スペックと価格が見合ってないという話であるが、そもそもデザインが剽窃だという話が出回った。インダストリアル・デザイナーの川崎和男氏がアップルコンピュータに向けてデザインした「MindTop」の持つキーボードの折りたたみ機構と正方形の設計がそっくりだ。

ポインティングデバイスも昔のTinkPadそのままだったりする。

ポータブックのデザインをまとめると

実際、川崎氏は憤慨を表明していたりする。

物語で売るやりかた

また、ポータブックでは象徴的なこともあった。

製品発表当日の夜、ワールドビジネスサテライトに製品開発者なるソニーから転職してきたというエンジニアが登場する。彼の発想が製品化の原点であるという物語が流布される。セールストークなのだろうが、ポメラの時も左遷社員のアイデアから製品化という物語がうまくいったので、成功体験を再びというところか。

UPQでもそうなのだが、物語を紡がないと売れないのだろうか?機能や価格その他の差別化だけでは苦しいのだろうが、このような安易な物語で売れるようになるのだろうか?

どうせ物語をつくるなら、川崎氏に喧嘩をふっかけて法廷バトルでもして、炎上マーケティングを全面展開してくれたほうが面白いのだが。残念ながら、この件についてキングジムは「ポータブックのデザインに関して本製品は特許・意匠・著作権上問題ないこと確認済みであり、川崎氏がデザインされたMindTopを模倣したものではない」との見解をだしている。とても残念だ。

まとめ

  • ポメラを進化させるのではなく安易にノートPC化させた
  • キングジムは、製品化スピードを口実として、製品に対する自らの考えの浅さを露呈した
  • このような安易な製品を物語で誤魔化して売ることがキングジムの社是

剽窃の有無はこれ以上追求しないが、キングジムの製品に対する考え方の浅さには驚いた。レノボのプロジェクター内蔵タブレットの方が、まだチャレンジしている。

参考