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無知と無能の間に

無知無能者、固人之所不免也

2016年アメリカ大統領選挙まとめ、その1〜女の敵は女だったのか?

大方の予想が外れ、ドナルド・トランプアメリカ大統領選挙に勝利した。みな、「まさか」と思いつつ、「もしかしたら」ということが現実となった。私も、「なんだかんだいいながら、ヒラリー・クリントンになるのだろう」と思っていた。開票開始直後は、共和党支持の多い田舎から開票結果がでてくるので、トランプ氏リードであった。メディアの予測もまだヒラリー勝利であったような気がする。しかし、開票が進んでも一向にヒラリー・クリントンの票は伸びない。そのうちアメリカのメディアがトランプ氏勝利の選挙予想に切り替わり、

備忘録として今回の大統領選挙についてまとめておきたい。

総得票数と投票分析

AP通信によると、総得票数では開票率99.7%の段階でトランプ氏の得票数は6120万1031票(得票率47%)。クリントン氏の6252万3126票(同48%)。100万票以上の差でクリントン氏の獲得票数の方が多いという結果になっている。

ブッシュ前大統領の選挙参謀だったKarl Rove氏によると「トランプ氏は、2012年の共和党候補ロムニー氏の得票数より0.5%減らしたが、クリントン氏はオバマ大統領より3.4%を失ったことで、ヒラリー氏の自滅」と分析した。

様々な世論調査で、高卒以下の白人ブルーカラーがトランプの最大の支持者だと指摘している。自分の生まれた町から一生出ることない人たちだ。「仕事を奪っているのは移民者だ!」「中国製品を締め出すために高い関税をかけろ!」といわれれば、それを論理的に検証することなく、目の前の現実に対して、分かりやすいアジテーションに飛びつく人たちだ。

白人女性の投票行動

さて、出口調査では、女性のうち54%がクリントンに投票している。しかし、以下のグラフだ。

f:id:projectdprompt:20161227174445p:plain 出典:NBC News

白人女性全体で、トランプ支持が78%で、ヒラリー支持が18%。保守系の女性のトランプ支持が78%で、ヒラリー支持が18%というのは、にわかに信じがたい。「美人コンテストで優勝者したヒスパニック系女性の体重を馬鹿にしたことについて批判されると、自分は正しいと言い張り、自分をレイプ魔だと認めたようなビデオが出て、トドメを刺されたのになぜ?」。理由はどうであれ、このような女性に対する冒涜は、白人層の女性にはまったく効果がなかった。あるいは、トランプ以上にヒラリーを嫌っていたのかもしれない。アメリカが、私達が思っているよりも進歩的ではなかったのかもしれない。あるいは、社会が進歩的(あるいは、いわゆるリベラル的な考え)が浸透していくにつれ、そのようなものに対する反感が増していったのかもしれない。

いずれにせよ、トランプ氏の暴言は致命傷にならなかった。ばかりか、ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)にうんざりしていた人たちに爽快感さえ与えた。今年2月に行われた世論調査では、トランプを支持する人のうち20%が「奴隷解放は間違い」と答えているのだそうだ。

選挙報道を見ていても、「女性初の大統領」というテーマは語られずにいた。そこは、オバマが立候補した2004年の大統領選挙の時の「初の有色人種のアメリカ大統領」が誕生するかもしれないという熱気とは明らかに違っていた。

有権者の数パーセントの投票行動で結果が大きく変わる選挙制度というのも恐ろしい。それにしても、勝利を確信したヒラリー支持者が投票に行くのやめる一方で、熱狂的トランプ支持者が年寄りを引っ張りだして投票所に向かったというのが逆転劇を産んだ大きな要因で、よくある「最後まで諦めない!」がトランプ大統領を生み出したとすると、なんという悪夢のスポ根モノという感もある。

参考