無知と無能の間に

無知無能者、固人之所不免也

ババを引くのは誰だ

日本時間で3月16日に、2016年アメリカ大統領選挙予備選挙の「ミニ・スーパー・チューズデー」の結果がでた。

共和党は、トランプ氏がフロリダ州を取って、地元だったルビオ氏が撤退を表明した。また一歩指名獲得に近づいた。民主党の方は、サンダース氏が後退、クリントン氏が指名に大きく近づいた。

共和党の主流派は総力を上げてトランプ氏を批判しているが、効果が薄いばかりか、逆にトランプ氏を利する結果になっている。もともと、キューバ移民であるルビオ氏を候補者にして、ヒスパニック系を取り込み政権奪還を目指すつもりだったのだろうが、もろくも崩れ去った。

共和党は最後の全米党大会まで、トランプ氏に過半数を取らせないようにし、最後の最後で党大会の決選投票で別の人物を候補者としてひっくり返す算段を考えているというニュースも流れている。主流派が担ぎだそうとしているのはライアン下院議長だという。

それがダメでも、第三の候補者を立てて、意地でもトランプ氏が大統領の座につくのを防ごうということも以前、噂にあった。共和党がトランプ氏、民主党がサンダース氏が候補者となった場合は、前ニューヨーク市長のブルームバーグ氏が第三の候補として立候補するかもしれないということを匂わせた発言もあった。

そもそもの要因として、アメリカ大統領選挙を闘いぬくには多額の金がいる。いかに理想に満ちていても、選挙資金を調達できなければ、当選できない。資金の提供者はウォール街だったり実業家だったりするわけで、金持ちに配慮した政策を示さなければならない。これは伝統的に小さな政府を志向しているという共和党の傾向だ。その一方で、格差が広がり、特に下層に属する白人の不満は大きいという。

共和党がトランプ下ろしをすすめるほど、共和党を伝統的に支持してきた下層の白人たちが反発する。ジレンマだ。もしかしたら、共和党は今回の選挙で空中分解してしまうのかもしれない。