青年海外協力隊、隊員の生態〜その11〜掲載論文
元協力隊員の語る協力隊論
第3回読売論壇新人賞入選論文集を読んだ。その中に元協力隊隊員でマレーシアで活動していた青山なる人物の論文が佳作に入賞し、掲載されていた。
青山氏の語る協力隊のイメージと実際
青山氏の語る協力隊のイメージと実際が4つあるという。
- アフリカの奥地で泥にまみれて井戸を掘る
- 貧しい途上国で現地の人々と同じレベルの生活をしている
- 草の根の活動をしている
- 純粋に被援助国の発展のために活動している
JICAの問題点
氏の論文から抜粋する
派遣が継続される本当の理由は、実際には極めて微妙なところにあると見るべきである。協力隊もJICAという一つの官僚組織の一部である以上、派遣を終了させることにより、予算とポストを自ら進んで放棄することなどまずありえない。「なぜ協力隊を派遣するのか」という根本的な問題についての議論がないまま、協力隊員の派遣、協力隊組織の存続そのものが自己目的化しているのである。
なるほど、昔から彼らの生態は変わっていない。今も変わらない。そして、これからも変わらない。
語らない隊員
協力隊隊員のブログを読んで、まともに議論できる内容が書かれることがほとんどないことに疑問を持った。今も持っている。ブログを書くような承認欲求の高い人間がどのような意見を持っているのか。また協力隊の活動が終わるとそのままブログも終わりという例は少なくないようだ。氏は、協力隊のOBが情報発信しない理由について以下のように書いている。
既に帰国した隊員にとっては、隊員時代のことは全てが美しい思い出であり、たとえ隊員時代にどのような矛盾に直面したとしても、今さら問題提起する気になれないというのがその理由であろう。
要するに、思い出づくりをしたい協力隊への応募者と協力隊事業を是が非でも維持したいJICAは共犯関係にあるということだ。
協力隊隊員にもJICA批判をしているものはいるのでは?
その疑問はごもっとも、という他ない。しかし、一見してJICA批判をしているブログはここでも紹介したが、その内容たるや、話にならないものばかりだった。問題を外部化し、JICAや現地の事務所、受け入れ先を攻撃することで自己を正当化する見苦しいものばかり。建設的意見は皆無といってもいい。
要するに、「思い出作りにいった途上国で、 JICAが思い通りにしてくれなかった」という文句を垂れているんものがほとんどだ。以前も書いたが、(ブログを書くようなタイプは特に)協力隊隊員は思い出作りのために途上国に行ている消費者なのだ。思い出を消費するため消費者なのだ。だから、JICAがうまく思い出を提供してくれなければ、モンスタークレーマーのように文句をたれるわけだ。彼らに生産的な活動を期待するほうがどうかしている。